ディープインパクト

ディープインパクトってどんな馬?

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このブログを始める時に、ディープインパクトのプロフィールを詳しく書くつもりはありませんでした。

だって、有名な馬だし、詳しい情報を知りたければWikipediaがあるじゃんって(笑)。

でも、ディープインパクトが現役を引退してから15年が経ちました。

最近競馬ファンになった方の中には、ディープのことをあまり知らない方もいらっしゃるようです。

それならば、自分なりに「ディープってこういう馬だったんだよ」ということを記しておこうと思いました。

競走成績ももちろんですが、エピソードや性格なども記していきます。

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競走馬、種牡馬のディープインパクトのプロフィール

まずは、ディープインパクトのプロフィールをご紹介します。

ディープインパクト

2002年3月25日生

父 サンデーサイレンス 母 ウインドインハーヘア

母父 Alzao

馬主: 金子真人ホールディングス

池江泰郎厩舎所属

主戦: 武豊騎手(全レース騎乗)

生産者: ノーザンファーム

競走成績: 14戦12勝 (海外1戦含む)

2005年に無敗の3冠達成。

2005年 年度代表馬。最優秀3歳牡馬。

2006年 年度代表馬。最優秀4歳以上牡馬。

2006年有馬記念を最後に引退、社台スタリオンステーションで種牡馬入り。

2012年~2022年 JRA リーディングサイヤー

2008年 JRA顕彰馬に選出

2007年 安平町特別栄誉賞受賞

2002年3月25日生まれ 父 サンデーサイレンス、母 ウインドインハーヘア

と書いただけで、目頭が熱くなってきます💧

全兄にブラックタイドがいます。

ブラックタイドは、今はキタサンブラックの父だと言ったほうがわかりやすいでしょうか。

全弟のオンファイアも種牡馬をしていましたが、昨年10月に浦河町のオーシャンズランチに移動。

種牡馬を続けるかどうかは、オンファイアのコンディション優先で検討されるそうです。

オーシャンズランチさんは、オンファイアがこれからも元気で暮らしていくための寄付を募っています↓

オンファイア支援サイト

ディープインパクトの母方の血統は、イギリスのエリザベス女王とご縁があります。

詳しくは「エリザベス女王陛下とディープインパクト ロイヤルアスコット開催に寄せて」をご覧ください。

エリザベス女王陛下とディープインパクト ロイヤルアスコット開催に寄せて *2022年9月19日追記 2022年9月8日、エリザベス女王陛下が96歳でご逝去されました。 競馬をこよなく愛...

父のサンデーサイレンスは2002年に亡くなりました。

でも、母のウインドインハーヘアは30歳になった今年も元気です。

ご存知の方も多いと思いますが、今は北海道のノーザンホースパークにいます。


自分の子供だけではなく、孫、ひ孫の世代も大活躍。本当に偉大な繁殖牝馬です。

現役時代のディープインパクト

ここでは、競走馬時代のディープインパクトについてご紹介します。

競走成績

2歳時(2004年)

12/19 阪神 新馬戦 2000m 1

3歳時(2005年)

1/22 京都 若駒ステークス(OP) 2000m 1

3/6  中山 弥生賞(GⅡ) 2000m 1

4/17 中山 皐月賞(GⅠ) 2000m 1

5/29 東京 日本ダービー(GI) 2400m 1

9/25 阪神 神戸新聞杯(GⅡ) 2000m 1

10/23 京都 菊花賞(GⅠ) 3000m 1

12/25 中山 有馬記念(GⅡ) 2500m 2

4歳時(2006年)

3/9 阪神 阪神大賞典(GⅡ) 3000m 1

4/30 京都 天皇賞(春)(GⅠ) 3200m 1

6/25 阪神 宝塚記念(春)(GⅠ) 2200m 1

10/1 仏ロンシャン 凱旋門賞(GⅠ) 2400m 失格

11/26 東京 ジャパンカップ(GⅠ) 2400m 1

12/24 中山 有馬記念(GⅠ) 2500m 1

上にも書きましたが、国内では13戦12勝

3歳時の有馬記念で1/2馬身差の2着になったのを除けば、国内で出走したレースはすべて勝利しています。

唯一の海外遠征となった凱旋門賞は失格になりました。

ちなみに、国内で走ったレース全戦で、上がり最速を記録しています。

全レース1番人気。

最高のオッズは1.3倍で、2005年の皐月賞、有馬記念、2006年のジャパンカップが1.3倍でした。

最低のオッズは1.0倍の元返し。

皆さんご存知の通り、無敗の三冠がかかった2005年菊花賞でした。

ディープの各レースについて詳しくは、ディープインパクトの出走レース紹介をご覧ください。

コントレイルのラストランとなったジャパンカップの後、福永騎手が

「3000mを走れる馬ではなかった」

とおっしゃっていました。

ディープインパクトは、ご覧の通り2000m以上のレースばかりを走っていました。

でも、デビュー当時は、

「短距離馬になってしまうかもしれない」

という心配を陣営に抱かせていました。

コントレイルとは少し理由が違っていて、

「スピードがありすぎたから」

だったそうです。

それで、武騎手と陣営は相談しながら、距離が持つ馬になるように育てていきました。

レースぶり

レースをご覧いただければわかりますが、ディープはいつも最初は後方で走っています。

レースの後半になってまくっていって、前にいる馬たちを次々に抜かしていきます。

そして、ゴール付近では後方に大きな差をつけています。

強さがとてもわかりやすいですね。

このようなレーススタイルになったのは、ゲートの出が良くなかったのが一つの理由です。

でも、他にも原因がありました。

池江泰郎厩舎でいつもディープの調教をつけていた池江敏行調教助手は、著書の「真相」の中で、

ディープにも「じつはひとつだけ弱点というか、特性がある」と書かれています。

それは並ばれると一緒に走ろうとすることだった。

並ぶと隣の馬を気にしてヤル気をなくすというか、

「一緒に行こうよ」とばかりに仲良く走ろうとする。

だから後ろから行き、完全に相手を無視して一気に抜く、

しかも抜き去るときに他馬が一緒に動いたらダメなのだ。

池江助手は弥生賞でこの特性に気づいたそうです。

武騎手もこの特性を知っていると思っていたので、特に話をすることはなかったとのこと。

でも、ジャパンカップのレース前に初めて話をしたところ、武騎手は

「たしかにそういうところありますよね」

と答えたそうです。

とくに意識してというより、感覚でそれをわかっていたかのような反応に、

やっぱり天才は違うなあと感じたものだ。

この特性をもっと多くの対戦相手が知っていたら、どうだったでしょうか。

あれほどのパーフェクトな成績は挙げられなかったかもしれませんね。

それならそれで、別のレースの仕方をしたのかな?

池江助手の「真相」という本については、「ディープインパクト DVD、本、雑誌など」でご紹介しています。

母親のウインドインハーヘアも現役時、後ろから行って、最後ビュンと抜き去るというレースをしていたそうです。

同じだなと思って、嬉しくなりました。

このエピソードは、「ディープインパクト~日本近代競馬の結晶」というDVDに収められています。

詳しくは「ディープインパクト DVD、本、雑誌など」をご覧ください。

ディープインパクト DVD、本、雑誌などディープインパクトは注目度が高く、現役時代、現役を引退する時、そして悲しいことですが、天国に旅立った時に、DVDや本、雑誌、グッズが発売...

4歳で引退

ディープインパクトは、2006年の有馬記念を最後に現役を引退しました。

フランスから帰国して、当初は天皇賞秋に出走する予定で東京競馬場で調整を進めていました。

その時に4歳で引退の発表がありました。

金子オーナーは当初から早期に引退させることを考えていらっしゃったようです。

でも、陣営の他の方々はそのことを知らなかったようです。

ディープの引退から15年が経過して、当時の事情をよく知らない競馬ファンも増えてきています。

4歳で引退したことについて、体調や脚元に問題があったからだと誤解されることもあります。

しかし、そのような問題は全くありませんでした。

ディープの父であり、大種牡馬であったサンデーサイレンスが、ディープが生まれた年に他界

その後を受け継ぐ種牡馬になってほしいという、生産界の熱い期待に応えたのです。

現役を引退する時は、こんなに早く引退するなんて寂しいと思っていました。

でも、その後の産駒の大活躍を見て、早く引退してよかったんだという気持ちにもなりました。

欧州ではある程度の実績を残した牡馬は3歳で引退させて、種牡馬にすることもあるようです。

現役を続けて、怪我でもされたら大変だからです。

そのいい例が、今年の欧州年度代表馬、セントマークスバシリカです。

セントマークスバシリカは今年3歳ですが、GIを5連勝して、実績は十分でした。

当初は凱旋門賞への出走を目指していましたが、外傷を負って同レースを回避。現役を引退しました。

その傷の程度がどれほどのものかはわかりません。

でも、これ以上の実績を積む必要はないと判断されたのでしょう。

ディープの引退について詳しくは、コントレイル ラストランに向けてに記しました。

種牡馬 ディープインパクト

4歳で現役を引退したディープインパクトは、北海道の社台スタリオンステーションで種牡馬になりました。

種付け料、シンジケート

51億円のシンジケートが組まれて、初年度は1200万円の種付け料が設定されました。

シンジケートというのは、高額の種牡馬を導入する際に、会員を募集して資金を出し合うシステムです。

会員には毎年その種牡馬を無料で種付けできる権利(1株につき1頭無料という感じです)が与えられます。

シンジケートの会員以外の生産者は、「余勢」という枠で種付けの申し込みをし、種付け料を支払います。

余勢の種付け料は経費を差し引いた後、配当金として会員に支払われます。

コントレイルの種付け料が、ディープインパクトの初年度と同じ1200万円に設定されました。

そのニュースを聞いた時、いくらのシンジケートになったのかなと思っていました。

でも、コントレイルのシンジケートの報道はあまりありませんね。

ディープの引退当時は「51億円のシンジケート」とよく報道されていましたが。

種付け料は1200万円からスタートし、産駒の活躍によって、2018年には4000万円まで上がりました。

父のサンデーサイレンスの種付け料は最高で3000万円と言われていますので、父の記録を抜いたことになります。

この4000万円という価格設定は、海外でも産駒が活躍し、海外からも申し込みが増えたことが一因になっていました。

高額にして申し込みの数を減らし、ディープへの負担を軽減する狙いがあったと聞いています。

残念ながら、その負担軽減の効果は十分ではありませんでしたが・・・💧

ディープインパクト産駒 デビュー

ディープインパクトの初年度産駒は、2008年に誕生しました。

初年度産駒がデビューしたのは2010年です。

ちなみに、以下の記録があります。

ディープ産駒初出走馬 シュプリームギフト 初出走日 2010年6月20日

ディープ産駒JRA初勝利馬(牝馬) サイレントソニック 勝利日 2010年6月26日

ディープ産駒JRA初勝利馬(牡馬) ヒラボクインパクト 勝利日 2010年6月27日

ディープ産駒JRA重賞初勝利馬 ダノンバラード 勝利日 2010年12月25日 ラジオNIKKEI杯(GⅢ)

ディープ産駒JRAGI初勝利馬 マルセリーナ 勝利日 2011年4月10日 桜花賞(GI)

初年度産駒、今となってはああ懐かしい。

今以上に一頭一頭のデビュー、レース結果を固唾を呑んで見守っていた記憶があります。

ディープが種牡馬として成功できるのか、当時はわからなかったですから。

シュプリームギフトとダノンバラードは、ディープが所属していた池江泰郎厩舎の管理馬でした。

ラジオNIKKEI杯でダノンバラードに騎乗していたのは武豊騎手でしたね。

マルセリーナが桜花賞を勝った時には、嬉しくて家の廊下を走り回って喜びました(笑)。

種牡馬としての実績、産駒の勝利数

2024年3月12日時点での主な実績は以下の通りです。

JRAレース産駒勝利数 2774勝

JRA重賞産駒勝利数 291勝

JRAGⅠ産駒勝利数 72勝(交流GⅠ 1勝含む)

15年連続JRA重賞勝利(2010年~2024年)

追記

*2023年10月10日追記

ディープインパクト産駒のJRA通算勝利数が2750勝に到達。

父のサンデーサイレンスが持っていた2749勝の記録を抜いて、歴代単独1位になりました。

詳しくは、

ディープインパクト産駒のJRA通算勝利数、歴代単独1位に 

をご覧ください。

この重賞産駒勝利数には、GI産駒勝利数が含まれています。

このほか、地方の重賞やGIレースも勝っていますし、海外の重賞、GIレースでも勝利しています。

ちなみに、海外のGIレースは33勝、重賞レースは16勝です。

このGIレース勝利数と重賞レース勝利数はそれぞれ独立した数字です。

つまり、スポーツ紙の重賞勝利数の数え方で言うと、海外の重賞レース勝利数は49勝ということになります。

追記

*2023年12月4日追記

12月2日、ディープインパクト産駒の4歳牝馬、Ghaanatiが豪州のリステッドレース、Doveton Stakes (1200m)を勝利!

これで、ディープ産駒のステークス勝ち馬は201頭になりました。

これは日本と海外の通算の数字です。

ステークスの意味については、JRAのHPの「競馬用語辞典」に説明があります。

当初使われていた意味とは違ってきているようですが、「ほとんどの特別競走」が該当するようです。

私はリステッドレースと重賞レースを指すのかなと漠然と理解しています。

ちなみに、ディープ産駒の200頭目のステークス勝ち馬はゼッフィーロです。

11月5日にアルゼンチン共和国杯(GⅡ)を勝利しています。

 

詳しくは「海外の重賞・GⅠレースで勝利したディープインパクト産駒、20頭に到達!」をご覧ください。

日本のレースに関しては、1200m~3200mの芝のGⅠレースで産駒が勝利しています。

また、障害でも重賞レースとGⅠレースを制しています

2014年にレッドキングダムが中山大障害(JGⅠ)で勝利しました。

問題はダートですね。

JRAのダート重賞は初年度産駒のボレアスが2011年にレパードステークス(GⅢ)を制しています

また、2018年にはアンジュデジールが、交流GIのJBCレディスクラシック(JpnI)で優勝しています。

ただ、JRAのダート重賞は上に記したボレアスの勝利のみで、他は勝っていません。

もちろん、JRAのダートGIも勝っていません。

これまでの産駒の成績や、残り世代が少ないことを考えると、ディープ産駒がJRAのダートGⅠで勝利するのは厳しいかな。

ディープが種牡馬入りした当時、海外でここまで産駒が活躍するとは思っていませんでした。

初期の頃に海外の有力馬主さんが所有する牝馬を日本に送って、ディープと交配させていました。

その一番の成功例がBeauty Parlourです。

そのような成功例から、少しでも海外で活躍できる産駒が出ればいいなと思っていました。

そう考えていたところ、日本から遠征した産駒が大レースで勝利を収めるようになってきました。

その結果を見て、クールモアなどの大馬主が牝馬を積極的に日本に送ってくるようになりました。

ディープインパクト産駒の海外での活躍については、「世界のGⅠレースや重賞レースで活躍したディープインパクト産駒」のシリーズをご覧ください。

このシリーズは「世界のGⅠレースや重賞レースで活躍したディープインパクト産駒 その4」まであります。

世界のGⅠレースや重賞レースで活躍したディープインパクト産駒 その4 これまで世界のGⅠレースや重賞レースで勝利したディープインパクト産駒をご紹介してきましたが、今日が最終回です。 https...

さらに、海外での産駒の活躍を受けて、もうひとつ嬉しいことがありました。

それは、現役を引退したディープインパクト産駒が世界各地で種牡馬として繋養されるようになったことです。

詳しくは、「海外にいるディープインパクト系種牡馬 めざせ、世界征服!?」のシリーズをご覧ください。

このシリーズは「海外にいるディープインパクト系種牡馬 めざせ、世界征服!? その3」まであります。

ご存知のように、日本国内にも現役を引退した後種牡馬入りした産駒がたくさんいます。

多すぎて競争が激しすぎる・・・💧

国内の種牡馬については情報が入手しやすいので、このブログには記していません。

国内の種牡馬情報については、【サラブレッドセール(せり市場)=馬市】&【種牡馬】の最新情報 by馬市.comのブログが参考になります。

といっても、皆さん、とっくにご存知のブログだと思いますが。

ディープインパクトのラストクロップ

ラストクロップのデビュー後の情報については、ディープインパクト産駒ラストクロップの成績もご覧ください。

この項目は実は書きたくありませんでした💧。

でも、この情報がないと、読みに来てくださる方に不親切だと思い、やはり書くことにしました。

ディープは2019年の種付けシーズンの最初の頃に種付けを中止しました。

それで、2019年に種付けし、2020年に誕生した限られた数の産駒がラストクロップになります。

2019年に種付けできたのは24頭で、半数以上が海外のオーナー所有の繁殖牝馬だったそうです。

日本にいるディープインパクト産駒の最終世代

日本軽種馬協会が運営するサイト、JBIS Searchによると、国内にいる2020年度産のディープ産駒は6頭

以下に2023年4月16日現在の6頭の情報をまとめます。

勝ち上がり馬には👑のマークを、デビュー済の馬には🐎のマークをつけました。

*2023年4月16日追記

日本で生産されたディープインパクト産駒のラストクロップ6頭が、全頭デビューを果たしました🎉

4月15日のチャンスドゥアスクのデビューで、全頭が出走したことになります。

競走馬はデビューするだけで大変なことです。

関係者の皆様に心から感謝します。

そして、一頭でも多く勝ち上がることを祈ります。

 

 

名前、性別 母馬、所属予定厩舎、生産牧場
🐎エレガントギフト 牝 ジュエルメーカー 杉山晴紀厩舎(栗東)、チャンピオンズF
👑オープンファイア 牡 ゴーマギーゴー 斎藤崇史厩舎(栗東)、ノーザンF
🐎チャンスドゥアスク 牝 ワッツダチャンセズ 梅田智之厩舎(栗東)、追分F
👑スイープアワーズ 牡 スイープトウショウ 友道康夫厩舎(栗東)、ノーザンF
🐎メズマライジング 牝 フォルト 藤原英昭厩舎(栗東)、社台F
👑ライトクオンタム 牝 イルミナント 武幸四郎厩舎(栗東)、社台F

牡馬が2頭、牝馬が4頭です。

6頭のうち4頭が今年のセレクトセールに上場されましたね。

エレガントギフトはセレクトセールで主取りになっていました。

でも、今データを見ると、オープンファイアのオーナーである長谷川裕司さんの所有になったようです。

長谷川さん、ディープの産駒を所有したいお気持ちが強かったのかな。ありがたいことです。

 

海外にいるディープインパクト産駒の最終世代

海外にいる産駒で、血統登録されたのは7頭。

世界有数の競馬事業体、クールモアが所有する産駒は4頭いるようです。

そのうちの2頭をご紹介します。

まず、イギリスのクラシックレース、2000ギニーで勝利したサクソンウォリアーの全弟。


そして、GⅠを7勝し、2016年の欧州年度代表馬に選出されたマインディングが生んだ牝馬です。

あれ?ディープもマインディングも鹿毛なのに、この女の子は青鹿毛ですか?

海外にいるラストクロップ、7頭をまとめます。

こちらも、勝ち上がり馬には👑のマークを、デビュー済の馬には🐎のマークをつけました。

*2023年4月16日追記

上に国内のラストクロップが全頭デビューしたことを記しました。

海外にいる最終世代も、出走していないのは残り一頭になりました。

他界したり、繁殖入りした2頭を除き、デビューしたのは4頭です。

最後のAZMANIYAのデビューを楽しみに待ちます。

生産者 名前、母馬、性別、所属厩舎
クールモア 👑DRUMROLL (IRE) メイビー 牡 A・オブライエン厩舎

→2023年6月22日の英アスコット競馬場でのレースを最後に、デンマークに移籍(2023.8.15追記)

VICTORIUM (IRE) マインディング 牝 A・オブライエン厩舎

→繁殖入り(2023.1.9追記)

👑AUGUSTE RODIN (IRE) ロードテンドロン 牡 A・オブライエン厩舎

ハイドレンジアの2020 牡  A・オブライエン厩舎?

→他界(2022.7.4追記)

母馬は皆Galileo産駒です。

アガ・カーン スタッド AZMANIYA (FR) アズミーナ 牝

母父: Galileo

ゴドルフィン 👑SAHARA MIST (GB) ヒバーイェブ 牝   C・アップルビー厩舎 (英) → H-A・パンタル厩舎 (仏)

母父: Singspiel

ニアルコスファミリー 🐎BOLD AS LOVE (IRE) マリシューズ 牝 D・オブライエン厩舎

母父: Galileo

馬名は変わる可能性があります。

世界的に有名な生産者ばかりです。

また、母馬も自らがGIを複数勝利していたり、生んだ子供がGIを複数勝利していたりします

母の兄弟に活躍馬や種牡馬がいることもあります。

サクソンウォリアーの活躍を見て、ガリレオ産駒の母馬が多いですね。

Study Of Manを生産したニアルコスファミリーの繁殖牝馬がリストに入っているのが、嬉しいです。

2019年にディープが元気で、いつも通り種付けをこなしていたら、素晴らしい血統の仔馬がたくさん生まれていたことでしょう。

このラインナップを見ると、つくづく残念です。

生まれた仔が無事に成長し、デビューするだけでも大変なことです。

一頭でも活躍する馬が出てくれることを祈っています。

追記

*2022年10月26日追記

10月22日、イギリスのドンカスター競馬場で開催されたVertem Futurity Stakes (GⅠ)。

ディープインパクト産駒のオーギュストロダンが出走し、見事に勝利しました🎉

前日の雨で馬場が重くなっており、陣営は当日の直前まで出否を検討していました。

しかし、レースでは馬場の心配もいらないとばかりに3馬身半差の圧勝!

これでオーギュストロダンは、未勝利戦から3連勝。

次走はいよいよクラシック戦、2000ギニーに向かう予定です。

母馬はGI3勝のロードデンドロン。オーギュストロダンは母の初仔です。

ディープ産駒はラストクロップでもGⅠ勝利を挙げることができました。

全13世代でGⅠ勝利を達成したことになります。

12頭しかいないラストクロップ。

しかもまだ3頭しかデビューしていないなかでのGI勝利。

ものすごいことなんですが、ここまでくると感覚が麻痺してきます💦

今回の勝利を受けて、各ブックメーカーでは来年の英ダービーの一番人気になっています。

これからも無事で順調に行ってほしいです。

オーギュストロダンについては、世界のGⅠレースや重賞レースで活躍したディープインパクト産駒もご覧ください。

 

追記

*2022年10月26日追記

10月22日、アイルランドのレパーズタウン競馬場の未勝利戦にボールドアズラブが出走。

残念ながら2着でした。

ボールドアズラブはニアルコスファミリー所有の牝馬。

母の半兄が凱旋門賞馬のバゴという良血です。

これで欧州でデビューしたディープ産駒のラストクロップは2頭になりました。

勝利を目指して、これからも無事に行ってほしいです。

追記

*2023年1月9日追記

エイダン・オブライエン厩舎所属の3歳牝馬、Victoriumがデビューできず、引退となりました。

今後は繁殖牝馬になるそうです。

母はGⅠを7勝したマインディングで、超良血。

デビューをとても楽しみにしていたので、残念です。

無事にお母さんになって、良い仔を送り出してほしいと思います。

追記

*2023年3月30日追記

昨日、アイルランドのNavan競馬場で行われた1600m戦で、サクソンウォリアーの全弟、Drumrollがデビュー。

見事勝利を飾りました🎉

無事にデビューできるのかと心配していましたが、デビュー戦で勝利できて本当によかったです。

不良馬場で時間がかかるレースになったのも、今のDrumrollにとってはよかったのかもしれません。

兄と同じく良い勝負根性を持っていることがわかりました。これからも無事に。

これで欧州にいるディープ産駒の最終世代は、勝ち馬が2頭になりました。

他の仔も続いてほしいです。

追記

*2023年6月10日追記

6月3日、Auguste Rodinが英ダービーを制覇しました🎉

残念ながら2000ギニーでは力を発揮できませんでしたが、見事な逆転劇でした。

詳しくは、オーギュストロダン、英国ダービー制覇!!をご覧ください。

 

追記

*2022年10月26日追記

ディープインパクトの最終世代は、海外でオーギュストロダンとボールドアズラブがデビュー。

上記のように、10月22日にオーギュストロダンがGⅠを勝利しました。

日本でも、オープンファイアが9月11日に先陣を切って(馬名の由来に近い(笑))デビューし、見事に勝利を収めました🎉

中京の2000m戦でした。

その後、10月22日のアイビーステークス(リステッド)に出走し、3着。

2023年2月にきさらぎ賞に出走し、2着になりました。

皐月賞には出走せず、横山武史騎手を鞍上に迎えて青葉賞に出走するとのこと。

オープンファイアは、昨年のセレクトセールでディープ産駒最高の3億円で落札された馬。

セレクトセールでの評価は、「ディープ産駒最後の上場」という意味合いが強かったと思います。

それで、馬自身の資質はどうなのだろうと思っていました。

デビュー戦以降はまだ勝てていませんが、上位には来ています。

きさらぎ賞2着で賞金加算もできました。

数少ない産駒が海外でも日本でも勝利を挙げられたことに、感激しています。

ダービー出走を目指して、とにかく無事に行ってほしいです。

 

追記

*2023年1月9日追記

1月8日に中京競馬場で行われたシンザン記念(GⅢ)。

ライトクオンタムが武豊騎手を鞍上に迎えて出走し、見事勝利しました🎉

あまり良いスタートではありませんでした。

しかし、最後の直線で馬場の中央に進路をとると、一気に伸びてきました。

その姿を見て、ディープや数々のディープ産駒の姿が脳裏をよぎり、涙が出てきました。

ライトクオンタムは11月の新馬戦で勝ち上がり、2戦目で重賞勝利。

相手やレースぶりよりも、まず重賞を勝ちきったことを称えたいです。

420kg台の小柄な牝馬なので、成長して体重も増えてくるといいのですが。

ディープインパクト産駒はこれで国内全世代が重賞を勝利しました。

海外の産駒、Auguste RodinがGⅠをすでに勝っていますので、次は国内でもGIを勝利できたらと思います。

武豊騎手もこれでJRA重賞350勝、37年連続重賞勝利の記録を達成しました。

その後、ライトクオンタムは武騎手と共に桜花賞に出走することが発表されました。

武騎手、これからもよろしくお願いします。

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ディープインパクトの性格、エピソード

最後に、ディープの性格や思い出深いエピソードをご紹介します。

お坊ちゃま君

池江泰郎厩舎でディープを担当していた市川厩務員は、全兄のブラックタイドも担当していました。

ブラックタイドは3歳時にスプリングステークス(GⅡ)で勝利し、クラシックの有力馬に名乗りを挙げていました。

しかし、次走の皐月賞で16着になった後屈腱炎になり、2年ほど休養を余儀なくされます。

ディープは1歳年上の兄が休養している間に池江厩舎に入厩します。

ブラックタイドは雄大な馬格を誇り、黒鹿毛で父親のサンデーサイレンスによく似ていました。

一方、ディープは鹿毛で、母親似で小柄。

市川さんはディープが初めて栗東トレーニングセンターに来た時、検疫所に迎えに行きました。

あまりにも兄と印象が違い、女の子のように見えたので、思わず股間を覗いて性別を確認したそうです(笑)。

入厩してからも、「猛獣系」と言われるほど気性の荒かった兄に対して、ディープはとても上品で穏やか

その様子を見て、市川さんは「お坊ちゃま君」というニックネームをつけたそうです。

このエピソード、有名ですね。

ディープは現役時代、一度も放牧に出ることなく、ずっと栗東トレセンの池江厩舎にいました。

2年ぐらいですね。

3歳の夏は暑さを避けるため、札幌競馬場で池江厩舎に割り当てられた馬房にいました。

でも、放牧というわけではありません。

今は競走馬はレースを使った後、必ずといっていいほど放牧に出されます。

当時も現役時代一度も放牧に出されることがなかった馬は、他にはいなかったと思います。

その理由として、

「ディープには難しいところがあり、

世話や調教をする人が変わって、今まで学んできたことが失われることを陣営は恐れていた」

という記事を見たことがありますが、本当のところはわかりません。

放牧に出なかったということは、担当の市川厩務員や池江助手は休むことなくディープの世話をし続けたということです。

気苦労も多くて、さぞ大変だっただろうと思います。

陣営の皆さんのご尽力があったからこそ、ディープはあれほど素晴らしい成績を残し、無事に引退できました。

今さらながら、感謝の気持ちでいっぱいです。

市川厩務員とディープのやりとり(?)で好きなのは、3歳の夏に札幌競馬場にいた時のシーンです。

朝市川厩務員がディープの馬房に来て、ドアを空けるとディープが顔を出すのですが、それがすごくかわいくて!!

それでいっぺんにディープが好きになりました(笑)。

このシーンは、「NHKスペシャル ディープインパクト ~無敗の三冠馬はこうして生まれた~」というDVDに収められています。

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武豊騎手から見たディープの性格

島田明宏さんが書かれた「武豊 インタビュー集スペシャル 名馬編」(廣済堂文庫)。

2005年ダービー後の武騎手のインタビューが収められています。

ご存じの通り、ディープが現役時代は武騎手がずっと手綱をとっていました。

ディープについて、島田さんが「ところで、性格的にはどんな馬なのですか?」と質問したのに対して、武騎手は

頭がいいし、面白い子だなと思うこともあります。

おとなしいと言えばおとなしいんだけど、嫌がることはすごく嫌がる。

すぐ怒ったかと思えば、すぐ納得したりするし。

と答えています。

その後にダービーの発走前のエピソードを紹介しています。

ダービーのスタート前、4コーナーのポケットで輪乗りをしているとき、

急にポンとスイッチが抜けたようにおとなしくなったんです。

『どうしたのかな』と思ったら、あの馬、前脚を折って寝ようとしていた(笑)。

あそこ、下が砂ですからね。

池江泰郎調教師はダービーを勝つことを開業以来の大きな目標にしていました。

しかし、それまでに勝利したことはありませんでした。

ディープという有望な馬を得て、究極の仕上げを施して、ダービーに送り込みました。

そのためか、パドックでは何度も尻っ跳ねをするほど、テンションが高い状態でした。

その後の輪乗りで寝ようとしていたということですね。

ダービーの単勝オッズは1.1倍。断然の注目馬でした。

でも、本人はレース直前、こういう状態だったという(笑)。

社台スタリオンステーションに繋養された後のディープの性格

2017年に、グリーンチャンネルで「日本列島ダービーの旅」というシリーズが放送されました。

小堺翔太さんと三遊亭五九楽さんが出演。

JRAや地方競馬で開催されているダービーの取材をするという内容です。

番外編として「ダービー馬に会いに行こう」という企画がありました。

その企画で、小堺さんが社台スタリオンステーションを訪問しました。

社台スタリオンステーションに繋養されているダービー馬が登場し、広報の徳武さんが解説をしました。

ディープはもちろんですが、産駒のキズナも登場した記憶があります。

その際に「ディープは人間に対してフレンドリー」というエピソードが紹介されました。

種牡馬になるような馬は自分がボスだという意識が強く、気性も荒くなることが多いようです。

しかし、ディープは種牡馬になった後も人間にフレンドリーに接していたとのこと。

そして、そのフレンドリーさは、同スタリオンに繋養されている産駒にも受け継がれているということでした。

とても興味深い話でした。

サントリー コーヒー BOSSのCM撮影時のエピソード

ディープは、サントリーのコーヒー、BOSSのCMに出演しています。

放送されたのは2007年。

「サントリーBOSSレインボーマウンテン」という商品のCMでした。

ハリウッド俳優のトミー・リー・ジョーンズさんが「宇宙人ジョーンズ」役で登場。

宇宙人ジョーンズが地球の人々の暮らしを調査するというシリーズの第7弾でした。

ジョーンズさんが実際に社台スタリオンステーションに行って、撮影しました。

ジョーンズさんがディープの厩務員であるという設定でした。

残念ながら、CMの動画はここに貼ることができません。

あらすじを説明すると、まずディープのラストランになった有馬記念の映像が流れます。

スタンドでその走りを感動して見守るファンの姿も映ります。

その後すぐに社台スタリオンステーションの放牧地にいるディープが映ります。

テレビの女性レポーターが取材に来ていて、

「なんと1日に3回も種付けするんですよ。やっぱりディープはすごいですね」

などとコメントします。

その後ジョーンズさんが馬房にいるディープの鼻面をなでて、

「この惑星では、退職してからもきつい」

と言うという内容です。

ホース・コラボレーターの細江純子さんが、社台スタリオンステーションの担当厩務員だった森田さんに、撮影時のエピソードを聞いています。

「人気騎手・調教師インタビュー ホソジュンのステッキなお話」(芸文社)という本のなかで、森田さんは、

途中で長い撮影にディープは飽きてしまったようで居眠りを(苦笑)。
撮影前は、

「あんなに、たくさんの人がいるけど大丈夫なのかな?警戒するんじゃないかな?」

って心配していたんですよ。

でも、ディープにとっては何でもなかったようですね。

と答えています。

テスト、リハーサル、本番と2日かけて行われた撮影。

ディープが待ち時間に退屈して、休憩をはさんだりもしたそうです。

細江さんが

撮影中に居眠りとは、スゴイですね

と言ったのに対して、森田さんは

なかなか、変わった馬ですよね(笑)

と答えています。

現役時代に所属していた池江厩舎は、マスコミからの取材を積極的に受け入れていました。

競馬人気を盛り上げるためです。

レースでもたくさんの人が見に来るわけで、人に見られることに慣れていたんですね。

長々と書いてきたディープインパクトの紹介ですが、ここで一旦終わりにします。

折に触れて、内容を見直していきます。

ここまで読んでくださった方で、

「この人、なんでこんなにディープインパクトが好きなの?」

と思われた方は、こちらも読んでいただけると嬉しいです。

お礼

掲載したディープの画像は、以下のツイッターアカウントさんに許可を得て使わせていただきました。

画像が掲載できてうれしかったです。ありがとうございました!

「血統分析と調教チェックをつらつらと。@sushikamechan 」

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