ディープインパクトの何が好きなのか
「ディープインパクトのどこがそんなに好きなんですか」
と聞かれたら、私はまず、
「レースを見てください」
と言うでしょう。当たり前のことかもしれませんけど。
ディープは現役時代、14レースに出走し、12レースで勝利を収めました。
全レースで手綱をとっていた武豊ジョッキーは、ディープはゲートの中でじっとしているのが嫌いだったとおっしゃっていました。
それで、無駄に動いてしまったりして、スタートが遅れがちになったということです。
レースの展開を予測して、わざとゆっくりゲートを出たこともあったかもしれません。
そういうわけで、スタート時は馬群の後ろの方にいるのですが、レースが進むにつれて、どんどん前の方に進出していきます。
そして、最後は馬群を抜け出して、大きな差をつけて、一着でゴール!!
そのスカーッとする走りの爽快感は、他の馬では見られないものだと思うのです。
ディープの魅力は、まさにこれにつきます。
馬群をどんどん上がっていく姿を見て、
「おー!!」
と叫び、馬群を抜け出してゴールする姿を見て、爽快感を味わう。
何も難しくはありません。ただ、それだけです。
余計な理屈をつけなくても、見るだけでわかる。それが最大の魅力でしょう。
しかも、ディープは勝ったレースではいつも同じ走り方をしています。
ゲートはゆっくり出て、始めは後方を進み、中間すぎから次第に馬群を上がっていって、直線で抜け出すというパターンです。
しかも、他の馬に邪魔されないように、一番外を回ってきます。距離のロスを気にする必要がないほど、強かったのですね。
ディープのお勧めレース5選
だから、どのレースを見ても同じように爽快感が味わえるのですが、そのなかでもお勧めしたいのが、
- 2005年の若駒ステークス
- 2005年の日本ダービー
- 2005年の菊花賞
- 2006年の天皇賞春
- 2006年の有馬記念
です。正直、5番目はどのレースにしても良かったんですけど(笑)、きりがよいところで5つ挙げておきました。
ディープについてはDVDがいくつか販売されていますし、DVDを買わなくてもYoutubeなどで過去のレース映像を見ることができます。
一度見れば、私の言っていることがわかっていただけると思います。
かわいい顔と素直な性格
レースで見せる強さのほかに、かわいらしい顔と素直な性格もディープの魅力です。
写真を見ていただくとわかると思いますが、本当にかわいい顔をしています。ハンサムですよね。
それに、細身のきれいな体をしています。現役時は最も重い時でも460kg台と小柄な印象でした。
しかも、体重が最も重かったのはデビュー戦で、その後はどんどん体重が減り続けていったのです。
成長するにつれて、体重が重くなるのが普通だと思いますが、珍しかったですよね。
所属していた池江泰郎厩舎はマスコミの取材に協力的で、池江先生や池江助手、市川厩務員がディープについて多くのことを語ってくださっていました。
近年の市川さんのインタビュー記事を読むと、やはり当時は取材対応が大変だったとのこと。本当にありがたかったと思います。
そういう取材で明らかになったのは、ディープの素直な性格。
種牡馬になってからも、社台スタリオンステーションのスタッフの方が、「人間に対してフレンドリーだ」とおっしゃっていました。
そして、そのフレンドリーさは、種牡馬になった息子たちにも受け継がれているとのこと。 性格も魅力の一つです。