12月12日に開催された香港カップで、ラヴズオンリーユーが優勝しました🎉
Sayonara, girl! 🖤💚
Loves Only You #ラヴズオンリーユー 🎌 recorded the perfect farewell to her storied career in the @LONGINES Hong Kong Cup at Sha Tin yesterday. @netkeiba #競馬 | #HKIR #HKracing pic.twitter.com/ESN9y4reIN
— HKJC Racing (@HKJC_Racing) December 13, 2021
ご存知のように、ラヴズオンリーユーはこのレースを最後に引退することが決まっていました。
マイルチャンピオンシップでグランアレグリアが、ジャパンカップでコントレイルが見事に有終の美を飾りました。
ラヴズオンリーユーもこの波に乗ってくれて、とても嬉しいです。
先月、アメリカのブリーダーズカップ フィリー&メアターフで優勝した後、日本には戻らずに直接香港に入りました。
話だけ聞くと、「ふーん、そうなんだ」と簡単に片付けてしまいそうになりますが、このコロナ禍のなか、それがどんなに大変なことだったか。
レースホースコーディネーターの安藤裕さんの手記が、日刊スポーツのHPに掲載されています。
ラヴズ(今まで略して呼んだことなかった・・・)の世界各国への遠征に同行し、輸送や滞在のサポートをされた方です。
短い文章なのですが、やはり新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、いつもと違うご苦労があったようです。
そんな中、現地のホースマンの温かいサポートを得ることができたと記されていました。
今年の春のドバイから香港への移動、秋シーズンのアメリカから香港への移動。
当然その前後に日本からの出国、帰国という過程もあります。
改めて書くとすごいですね、この移動・・・。まさにglobe trotter、world travellerという感じですわ。
今年のラヴズの移動距離は約3.7万kmだという情報もありました。計算する人もスゴイ。
関係者や現地の方々の大きなサポート、愛情を受けて、この長距離の移動を耐え抜いて、GⅠ3勝を挙げたラヴズオンリーユー。
あっぱれとしか言いようがないです。
移動を耐え抜いたとしても、ここまで見事に結果を出すのは並大抵のことではありません。
むしろ結果が出ないほうが普通ではないでしょうか。皆さまのご苦労が報われて、本当によかったと思います。
レース自体は、ラヴズらしい勝負根性が発揮された素晴らしいものでした。
日本から遠征していたヒシイグアスとゴール前で競り合い、最後にクビだけぐっと前に出るという感じ。
ドバイでもアメリカでも見られた瞬発力が生きたレースでしたね。
ラヴスオンリーユーのプロフィール
ここで改めて、ラヴズのプロフィールを書いておきます。
ラヴズオンリーユー
2016年3月26日生
父 ディープインパクト 母 ラヴズオンリーミー
母父 Storm Cat
馬主 DMMドリームクラブ株式会社
矢作芳人厩舎所属
通算成績 16戦8勝
主な勝鞍 2019年東京優駿牝馬(GⅠ)、2021年QE2世カップ(GⅠ)
2021年BC フィリー&メアターフ(GⅠ)、2021年香港カップ(GⅠ)
ご存知の通り、リアルスティールの全妹です。
血統について詳しくはラヴズオンリーユー、ブリーダーズカップ フィリー&メアターフ優勝に書いたので省略します。
ディープ産駒のなかでも特に素晴らしい血統だそうです。世界的な良血ですね。
その血統に、これだけの競走成績。これから誕生する子供にどれだけの価値があるのかは計り知れません。
産駒はDMMドリームクラブさんの所有になるんでしょうね、やっぱり。
長い旅路のフィナーレを迎える
ラストラン【香港カップ(GI) 】に向かう#ラヴズオンリーユー のスペシャル動画を
ぜひご覧ください!#BanusySpecialMovie@HKJC_RacingDMM バヌーシー pic.twitter.com/WvpaufYBky
— 【公式】DMM BANUSY (@dmm_banusy) December 9, 2021
DMMバヌーシーさんの動画が好きなので、意味もなく掲載してしまいました(笑)。
血統と言えば、ディープ産駒で2018年に仏ダービーを勝ったStudy Of Manは、ラヴズと血統構成がとても近いです。
母父がどちらもStorm Catで、Study of Manは祖母がMiesque、ラヴズは曾祖母がMiesqueです。
現在、Study of Manは種牡馬として、イギリスのLanwades Studで繋養されています。
そのLanwades Studが香港カップ後のツイートで、
「専門紙にラヴズオンリーユーの勝利のニュースが載っているが、Study of Manと血統が近いことは言ってくれてない」
と若干すねたようなコメントをしていて笑いました。
Study Of Manの産駒はまだデビューしていないので、確かに絶好のアピールポイントですよね。
どんどん乗っかってアピールしていただきたいところです。
スノーフォールが英オークスに勝った時も、世界中のディープ系種牡馬を繋養している牧場からのアピールがすごかったな。
でも、このようなニュースが種牡馬の人気を最も後押しするものだと思うので、宣伝がんばってほしいです(笑)。
ラヴズオンリーユーのお勧めレース
ここからはラヴズオンリーユーのお勧めレースをご紹介します。
2019年オークス
デビューから3連勝でオークスに挑み、見事に勝ちきったこのレース。
当初は桜花賞出走を目指していたのですが、脚元の疾患が見つかり、桜花賞には間に合いませんでした。
それでも、オークスでは1番人気になっていましたね。
桜花賞馬のグランアレグリアはオークスには向かわず、NHKマイルカップに出走しました。
レース映像を見直すと、まず聞こえてくる馬名がすごいですね。
コントラチェック、ダノンファンタジー、カレンブーケドール、クロノジェネシスなどなど。
改めてすごい世代だと思います。
オークス時のラヴズは、香港カップやブリーダーズカップのように最後競り合って少しだけ前に出るというレーススタイルではありません。
最後の直線、中段ぐらいからぐんぐん伸びていって先頭集団に追いつき、差し切るという競馬をしています。
今見ても、最後間に合うのかヒヤヒヤします。
ラヴズについては、オークスの後5歳になるまで1勝もできなかったことがよく言われます。
でも、改めて戦績を見てみると、ずっと不振だったというわけでもないのですね。
3歳時と4歳時に出走したエリザベス女王杯はいずれも3着で、4歳時の鳴尾記念は2着。
下位に終わったレースもありますが、ある程度力を発揮できたレースもあったということではないでしょうか。
2021年ドバイシーマクラシック
ご存知のように、このレースではラヴズは3着でした。勝ったのはMishriff。
同じく日本から遠征したクロノジェネシスが2着になっています。
Unbelievable race, unbelievable racehorse! 🙌
Mishriff wins the Group 1 Longines Dubai Sheema Classic for @davidegan99 and John and Thady Gosden at @MeydanRacing pic.twitter.com/5h9kKV1K8h
— At The Races (@AtTheRaces) March 27, 2021
最後に3頭が壮絶な叩き合いをしました。
3頭のその後の活躍を見ても、とてもレベルが高いレースだったと思います。
ラヴズの勝負根性が十分に発揮されています。
もちろん、ブリーダーズカップも香港カップもお勧めですが、すでに感想を書いているので省略します。
思わぬ力を持っていた馬
管理する矢作調教師は、香港カップ前にスポニチのインタビューに答えて、
牝馬は一度、調子を崩すと立て直すのは難しいケースが多い。よくぞ、ここまで立ち直ってくれた。
去年の今頃を思えば、この馬が国際G1を2つ勝つことは想像もできなかった。
その成長力というか(状態が)戻ってくれたのが本当に良かった。
とおっしゃっています。
結果的には国際G1を3つ勝つことになりました。
デビューから4連勝でオークスを制したように、高い素質があることには疑いはありませんでした。
でも、不振と言われた4歳時から状態を立て直して、5歳時に世界中を飛び回って、各地のGIで勝利すると想像できた人はいなかったのではないでしょうか。
しかも大レースばかりですしね。
5歳になってからは、素晴らしい勝負根性も見せてくれました。
陣営や関係者、世界中のサポートをしてくれる人たちの愛情を受けて、見事に大輪の花を咲かせたラヴズオンリーユー。
世界転戦の裏話も読みたいです。どなたか本を書いてくれないかな。
皆が大好きなマルシュロレーヌとの仲良しエピソードとか。
日本からやって来た勝ち気なお嬢様2頭をケアして、大舞台で最高の結果に導いたスーパーポニー、ラコ君の奮闘記とか。
そういう話も読みたいですよね(笑)。
1月30日に東京競馬場で引退式が行われることが正式に発表されました。最後にもう一度競馬場で姿を見られるのはうれしいですね。
引退式を終えたら、北海道のノーザンファームに移動し、繁殖牝馬としての生活が始まります。
これからの馬生に幸多かれと祈ります。
2021年香港国際競走 その他の結果
今年の香港国際競走では、ラヴズオンリーユーの他にもグローリーヴェイズが見事勝利を収めました🎉
グローリーヴェイズは一昨年も香港ヴァーズで優勝していますが、今年も同レースで勝ちました。
He’s back! Glory Vase #グローリーヴェイズ 🎌 captures his second G1 @LONGINES Hong Kong Vase under Joao Moreira, defying Pyledriver and Ebaiyra in a thriller!@netkeiba #競馬 | #HKIR #HKracing pic.twitter.com/Ws0EeFSIpO
— HKJC Racing (@HKJC_Racing) December 12, 2021
今回もモレイラ騎手が手綱を取りました。相変わらず頼もしいですね、モレイラ騎手は。
レースでは後方をずっと進んでいたため、最後届くのか心配にもなりました。
でも、モレイラ騎手は確信があったようで、レース後のコメントからも何も問題がなかったことが伝わってきました。
これからも海外でディープ産駒にたくさん乗ってほしいです。
グローリーヴェイズはこれで香港ではGI2勝、2着1回。大得意ですね。
引退後は香港で種牡馬に・・・と言いたいところですが、香港は馬産は行われていないので無理です。
ディープ産駒ではそのほか、香港マイルにダノンキングリーとヴァンドギャルド、香港カップにはレイパパレが出走しました。
残念ながら上位には来られませんでしたが、よい経験にしてほしいと思います。皆無事に帰国したようで安心しました。
無事に帰国と言えば、香港スプリントで大事故がありましたね。
香港の馬2頭が悲しいことに予後不良になり、日本馬のピクシーナイトも骨折。
3人の騎手が病院に搬送されて、福永騎手も骨折しました。
天国に旅立った馬たちの冥福と、怪我をした人馬の早い回復を祈ります。
ピクシーナイトは怪我をしたものの、日本から遠征した他の馬と一緒に帰国できてよかったですね。
まだ3歳。ゆっくりと静養して、また元気な姿を見せてほしいです。
ダノンスマッシュも引退レースであのような事故に巻き込まれてしまい、実力が十分に発揮できなかったと思います。
でも、怪我がなかったことは何よりです。
引退後は種牡馬になるとのことですが、実り多い馬生になりますように。お疲れさまでした。
ものすごく遅くなっちゃったんですけど。
ラヴズオンリーユー、エクリプス賞 最優秀芝牝馬受賞おめでとう🎉
最終候補の3頭に入っていただけでも名誉なことなのに、授賞できるなんて感激でした。
ラヴズオンリーユーはアメリカで一戦しかしていません。アメリカの競馬関係者の方々の度量の大きさを感じました。
ブリーダーズカップのフィリー&メアターフというレース自体も高く評価されているようで、うれしいです。
And the Eclipse Award for Female Turf Horse goes to… Loves Only You (JPN)! 💜
Congratulations to our 2021 @MakersMark #BreedersCup Filly and Mare Turf Champion! #EclipseAwards
J: Yuga Kawada
T: Y. Yahagi
O: DMM Dream Club Co., Ltd.
B: Northern Farm pic.twitter.com/9E5ZhNBmqr— Breeders’ Cup (@BreedersCup) February 11, 2022