引退したディープ産駒を毎回一頭ずつ取り上げて、その思い出を語っていますが、今日はトーセンラーを取り上げます。
トーセンラーはディープの初年度産駒です。
ディープの初年度産駒は2010年にデビューしていますが、ディープの主戦だった武豊騎手は同年3月の毎日杯で落馬事故に遭い、骨折のため休養を余儀なくされました。
ディープの乗り味を知っている唯一のジョッキーである武騎手が、続々とデビューするディープ産駒に乗ることができず、
「お父さんと比べてどうですか」
という質問に誰も答えられないという事態になっていました。
この話の続きは後回しにして、まずはトーセンラーのプロフィールをご紹介します。
トーセンラー
2008年4月21日生
父 ディープインパクト 母 プリンセスオリビア 母父 Lycius
馬主 島川隆哉さん 藤原英昭厩舎所属
通算成績 25戦4勝
主な勝鞍 2013年マイルチャンピオンシップ(GⅠ)、2013年京都記念(GⅡ)
武騎手が復帰して、最初に騎乗したディープ産駒はスマートロビン。2010年10月23日のことでした。
スマートロビンもその後活躍して、現在はトルコで種牡馬になり、産駒の活躍のニュースも届いています。
スマートロビン、どうしてるかなと思ったら、こんなニュースがあったなんて!おめでとう!#ディープインパクト https://t.co/UzoQvbVxi7
— スージー@ディープ♥科捜研 (@Susie73629484) 2020年6月15日
武豊TVで、武騎手はスマートロビンに騎乗した10月23日は、ディープが3冠を達成した日だとおっしゃっていました。
そうやってディープを思い出しているんだなあとちょっとしみじみしました。
武騎手がトーセンラーに初めて騎乗したのが11月7日。新馬戦で勝利を収めます。
武騎手は当時、トーセンラーのことを
「騎乗して、上から見た耳の形や景色がディープに似ている」
とおっしゃっていました。
その後も多くのディープ産駒に騎乗している武騎手ですが、最近も同じようなことをおっしゃっていました。
どの仔だったっけ・・・3歳馬か、4歳馬だと思うんだけど、思い出せない・・・。
トーセンラーがGⅠを勝った時、武騎手は
「ディープに最も近いフットワークをしている」
と言っていました。
その後乗り替わりもありましたが、2013年2月からは武騎手とのコンビに戻り、その間に1回だけ幸英明騎手が騎乗した以外は、ずっと武騎手が手綱をとっていました。
その間にGⅠも勝ち、GⅡでも勝利しています。
血統のことについてちょっと触れますと、母のプリンセスオリビアは当初アメリカで繁殖牝馬になり、Flower Alleyという活躍馬を生んでいます。
Flower Alleyは2005年にアメリカのGⅠ、トラヴァースステークスで勝利を収め、同年のブリーダーズカップクラシックでは2着になっています。
引退後は種牡馬になり、アイルハヴアナザーやライラックスアンドレースなど、活躍馬を送り出しています。
プリンセスオリビアはアメリカでもう一頭子どもを生んだ後、日本に渡り、ブルーミングアレー、トーセンラー、スピルバーグの3頭を産みました。
トーセンラーの全弟のスピルバーグは、2014年に天皇賞秋で勝利しています。
不受胎などもあり、産駒は5頭だけですが、その中から3頭もGⅠ馬が誕生しました。素晴らしい繁殖牝馬だったのですね。
プリンセスオリビアは2016年に亡くなったそうです。スピルバーグが最後の産駒になりました。
このような血統背景のある良血馬のトーセンラーですが、前回記事を書いていたディサイファほどではないにせよ、私はじれじれしていたという思い出があります。
ディサイファと理由は同じで、良血馬で、素質も間違いなくあるのに、なかなか大きな結果に結びつかなかったということだと思います。
3戦目からはずっと重賞で走ってきたのですが、2着や3着も多くて。
でも、武騎手と共にGⅠを獲ってくれました!
武騎手が騎乗して、ディープ産駒が大きなレースを勝つと、どの騎手が乗っているよりも嬉しいのですが、ちょっとフクザツな思いも。
武騎手は実績も人気もある偉大なジョッキーなので、中継や翌日の新聞などでも、武騎手の話が7割ぐらいになりがち💦。
「頑張って走ったのは馬でしょ?」
といつも言いたくなります(笑)。
トーセンラーのお勧めレース
photoAC
やはり、ようやくGⅠに手が届いた2013年のマイルチャンピオンシップは必見です。
トーセンラーはそれまで中長距離路線で、菊花賞にも出走したし、2013年の天皇賞春では2着になっているのです。
しかし、2014年の安田記念で初めてマイルに挑戦し、結果は出ませんでしたが、秋にはマイルチャンピオンシップに出走して、見事一着になりました。
中長距離を主に走っていた馬を、マイルで勝たせたということで、藤原厩舎の手腕も絶賛されていましたね。
馬主の島川隆哉さんは所有馬の初のGⅠ勝利で、とても喜ばれたと聞いています。
後日ネットで見たのですが、島川さんが経営されている東北地方のゴルフ場では、トーセンラーの勝利を祝って、何日間か来場されたお客様に、無料でブッフェ形式の食事を提供されたそうです。
喜んでいらっしゃるんだなと思いました。
先ほど、天皇賞春で2着だったこともお話ししましたが、そのレースも見ていただくと、トーセンラーの自在性がわかると思います。
勝利を挙げた4つのレースはどれも、京都競馬場で実施されたものでした。京都競馬場が得意であることから、「京都の鬼」とも言われていました(笑)。
京都競馬場で行われたレースを見ると、トーセンラーの強さがよくわかると思います。
トーセンラーの魅力
ディープに似た細身の上品な馬体が好きでした。明るい毛色で、いかにも良血馬という感じがしました。
トーセンは冠名ですが、「ラー」というのはエジプトの太陽神の名前で、私はいつも「ラー様」と言っていました(笑)。
6歳まで大きな怪我もせず、丈夫に走り続けたトーセンラー。素晴らしい馬でした。
トーセンラーは2014年の有馬記念を最後に引退。ジェンティルドンナも同レースで引退しています。
引退後は種牡馬になり、レックススタッドとブリーダーズ・スタリオン・ステーションを2年毎に移動して、種牡馬生活を送っています。
産駒の数はそれほど多くないですが、活躍馬も出ていますし、これからも元気に過ごしてほしいと思います。
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