ダコールも忘れられない産駒の一頭です。
ディープ産駒らしい素晴らしい末脚を披露していた馬ですが、どうも何かが噛み合わないところがあって、歯がゆい思いもしました。
でも、いつも一生懸命走っていて、ファンも多かったですね。
まず、ダコールのプロフィールをご紹介します。
ダコール
父 ディープインパクト 母 アジアンミーティア 母父 Unbridled
馬主 ノースヒルズ 中竹和也厩舎所属
通算成績 48戦7勝 主な勝鞍 2015年新潟大賞典(GⅢ)
デビューして、だいぶたってから知ったことですが、ダコールは当歳の夏前に首を骨折して、競走馬になれるかどうかが危ぶまれた馬でした。
牧場スタッフの方や獣医師の方の懸命な努力によって、2歳の6月頃には競走馬としてデビューできるのではないかと思える段階までこぎつけたそうです。
ダコールという馬名は、フランス語で「オッケー」という意味だそうです。
ホース・コラボレーターの細江純子さんが、テレビの競馬番組でダコールのことを紹介されていた時、フランスでのエピソードを話されていました。
フランスに行った時、皆が「ダコー」、「ダコー」とよく言っていたので、何かと思っていた細江さん。
後で「オッケー」、「オッケー」と言っていたのだということがわかったということです。この「ダコー」こそが、ダコールの馬名なのだと。
だから、フランス語では最後の「ル」は実は発音しないのかも・・・?
ダコールもリアルインパクトと同じで、ディープの初年度産駒です。2歳10月の新馬戦で勝利を収めてから、9歳の2月まで、全48戦を走りぬきました。
最後のレースになった小倉大賞典は10着に終わったのですが、上がりは最速だったという物凄さ。頭が下がります。
ダコールは勝利を収めるのに、条件に左右されていた印象があります。小回り平坦のレースが得意で、小倉や新潟で活躍していました。
雨が苦手なのに、レースの日はなぜか雨が多かったり、末脚を活かしたいのに、そういう展開のレースにならなかったり・・・。
それでも、勝つまではいかなくても、掲示板には載ることが多く、賞金はしっかり稼いでいたので、「馬主さん孝行」と言われていました。
合わない条件でも一生懸命走って上位には来るというダコールを、「師匠」と呼んでいたファンの方もいましたね。
私はダコールの走り方には特徴があると思っていて、直線の走りを見ると、腕節(人間で言うと膝に当たるのかな?)を曲げずに、まっすぐ足を伸ばしています。
そのまっすぐ伸ばした足を、上からパタン、パタンという感じで軽く叩きつけるように走るので、いつもかわいいなーと思っていました(笑)。
レースの日に雨が降らなければ、斤量が軽かったら、展開が向いたら、もっと勝てたかも。でも、十分立派な成績ですよね。
ダコールのお勧めレース
何度も重賞に挑戦し、ようやく勝利をもぎとった2015年の新潟大賞典や、約2年ぶりに勝利を収めた2014年のアンドロメダS、驚異の末脚を見せた2012年の釜山Sがまずはお勧めです。
でも、勝ちきれなかった重賞レース(特に雨の日の・・・)も見ていただきたいです。いつもけなげに走っていたダコールがそこにいます。
ダコールの魅力
これまでにもずいぶん書いてきましたが、やはり鋭い末脚は魅力でした。
デビューができるかどうか危ぶまれていた馬が、9歳まで無事に走りきり、7勝して、3億を超える賞金を稼ぎました。
条件が合わなくても、斤量が重くても、毎回必死に走って、賞金はいただいていくという(笑)。すばらしい競走馬でしたね。
私は、あの直線のパタパタした走り方がかわいくて好きでした。
ダコールは2017年2月の小倉大賞典を最後に引退し、2019年11月の時点では福島県南相馬市の牧場で繋養されています。
公益財団法人ジャパン・スタッドブック・インターナショナルの「引退名馬」というサイトに、ダコールの情報が掲載されています。
動画もアップされていて、今も引き締まった体で、砂浴びをしたり、足元の土を掘ったりと、元気そうな姿が見られます。
リンクを貼ってよいかどうかわかりませんでしたので、ご覧になりたい方は検索していただければと思います。
南相馬市の伝統行事、相馬野間追にも参加していたようですね。
相馬野間追執行委員会の公式HPによると、今年は新型コロナウイルスの影響で行事の大部分が中止になり、「神社の敷地内で、最小限の行事を、無観客、関係者のみで実施すること」にしたとのこと。
今年は残念ながら、ダコールが参加することはできないかもしれませんね。
思い出に残るすばらしい競走馬でした。これからも元気で、長生きしてくれることを祈っています。